ふたりはプリキュアMAX HEART

「むぅ〜奴等めプリズムストーンの力をいったいどこに隠したのだ!わからん!
…それにしてもあの小さい奴!あいつから発されるあの凄まじい力は何なのだ?」

とか数週の間ずーっと言ってた前作の敵もかなりの阿呆でしたが、


「さっき会ったあの不思議な女の子、以前からよく知っているような気がする…何故かしら?
 それはそうと、クイーンが姿を変えてこの世界に来ているっていうけど
 それだけじゃあ探す見当もつかないわよねまったく…
 あーもう謎だらけで超ありえない!」

今シリーズのプリキュラさんも相当なものですね。
今回シリーズは月イチペースでアイテムの探し集め要素*1があるみたいなのに、この鈍さでやっていけるのか先が思いやられます(笑)。


謎解きをこれほどまでに平易な水準にしてあったり、毎回冒頭で必ずなぎさが前回のあらすじを超分かり易〜く回想してぼやいてみせてくれるのも(笑)、実際のとこ作品の対象年齢層は小さな女の子たちだからなんですね。なぎさ&ほのかは中学生として学園を舞台に活躍しているし、コミューンとかのアイテムCMではティーンの女の子達が出ているけれど。


そもそも女の子は何歳の小さい子であろうとも「今いちばんオシャレな遊びがしたい」という気持ちは同じなので、彼女らのおませな心を満たすためには
「年上の大きいお姉さんたちがやってるのと変わらない、同じオシャレや遊び」
を提供してあげる必要があるわけです。実際のところ大きいお姉さんたちプリティコミューンとかそんなのやってないとしても、「そう見える」グッズ・CM展開が*2


プリキュアの商業的成功のポイントは
「話は小さい子にも分かり易く、でも舞台設定は対象の幼年層よりもずっと上に持っていったこと」
ここが大きく働いているように思えますね。
あとは大きいお兄さんファンたちの中学生萌えで一石二鳥効果だし。

*1:クレヨン王国の「1〜12月の町」とか、どれみでの「○級昇級試験」「先々代女王の呪いを少しずつ解除、残りの呪いあと○本」のように、ゴールへ至るまでの通過点を段階ごとで区切って月ごとのクライマックスに仕立てる作劇法は、この時間帯のアニメのお家芸ですね。プリキュアもまだ昨年の時点では、人気次第では「明日のナージャ」同様1年限りで終わるように脚本調整…という可能性も計算に入れて手探りで作っていたのでしょうが、今年になってこのお家芸を取り入れ始めたということは、「プリキュア」という作品への確信、この人気なら1年間を通したスパンで見据えたプロットで最後まで安定してやり通せるという目途が製作陣についた証でしょう。

*2:ただしなりきりコスチュームや戦闘アイテムの場合はCMでは同世代の小さな女の子たちが装着しているが、これは商品に大人用サイズが無いからであるのも当然だが、それ以上に「自分と同じ年代の子が着ている姿がTV画面に出ることで、自分もプリキュアになった姿を重ねられる」という意図があるだろう。そもそもコミューンのようなオシャレ系アイテムと、「ごっこ遊び」用アイテムとでは商品の性格・広告展開が大きく変わってくる。対象となる幼年の女の子の中には「おませな遊びをしたい」という一面と、反面やはり子供らしく「ごっこ遊びも楽しい」という欲求が同時に存在する。「お子さまじゃないもん!オシャレしたい!」という気持ちと「プリキュアになりたい!」という背反する願望とをバランスよくくすぐり、両方のニーズにそれぞれの商品で応えているのが「プリキュア」の商品戦略の上手いところ。